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February 2010

これからの20年を勝てる
“成長シナリオ創り”
アンチエイジング編

Creating Growth Scenario

2010 2 月12日作成
2010年2 12
著者 郷 好文
Author Yoshifumi Go
この資料について

この資料は筆者郷が、成長経営をプレゼンテーションするコンサル
ティング・セミナーで語ったものを編集したものです。

テーマの『これからの20年を勝てる“成長シナリオ創り” ~アンチ
エイジング編~』は、架空の皺取りクリーム会社が、既存事業に行
き詰まりを迎え、それをどう克服するか?事業のありかたを再編す
る手法をまとめました。

今、あらゆる事業分野で「昨日の成功法則が通用しない」「昨対比
が何年も継続してマイナス」という現実に直面しています。マーケッ
トドメインを捉えなおし、自社のコアコンピタンスを再創造する第二
の成長シナリオの描き直しのため社員の意識を変え、会社を変え
るプロジェクトが必要となります。

わたしどもアンサー・コンサルティングはそのご要望にお応えするこ
とができます。ご質問やご相談事項に応えさせていただきます。

2010年 春
郷好文/アンサー・コンサルティングLLP

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この資料の構成

既存市場脱却・既存
プロセス忘却・市場既 成長シナリオ
視感消却 づくり

1000m上空
視点

ドメイ
ン別 ありたい姿
自社・自業界 市場・顧客

経営


未知の 品
拡大
市場 SCM
潜在 顧客 売り
営業 技術 管理 プロセ

顧客 拡大

部門視点 市場 社員一人ひとりの現場力の発揮
顕在
全社視点 顧客
顕在 潜在
市場 市場

第二の創業
イノベーション

現在の姿
創業期 発展期 成熟期 衰退期

これまでの20年 これからの不連続の20年 3
ある業績下降中の皺取りクリーム会社で・・・

★ 前々期まで増益基調だったのに、前期は減収
で、しかも営業赤字・・・・何が起きているのだろう
か?
皺取り本舗
★ 調べてみると次のような点が明らかになった。 本社
①高齢化社会に突入して、皺取りマーケット全体
は拡大基調にあるが、当社の製品群には停滞感
がある。
②商品力においては業界他社に引けをとらない。
③市場をつぶさに見ると、業務用市場(皺取り
本舗のメイン・チャネル=美容室、エステ等)に
比べ、パーソナル市場、特にダイレクト販売チャ
ネルが伸びている。
④近年、際だった商品開発が無く、話題性に 売上高
富んだ商品化がなされていない(営業マンの声)。
⑤エンドユーザー(使用者)の情報が直接入ら
ないため、販売促進策にも停滞感がある。

皺取り本舗主力商品
(業務用ヒアルロン酸、
コラーゲン、セラミド
等) 営業利益率

商品開発 営業 生産 SCM 販売 サービス

4
業績下降の原因は多岐にわたっていたが、
ひとことで言えば・・・

開発部門は営業が売らない、営業部門は開発が作らないと言う、古くて新
しい部門エゴが存在してる。
営業マンはひたすら頑張っているとういう意識だが、現実は各自の担当品
目ノルマを死守するだけ。
生産部門は在庫を切らさないことを第一に生産計画を立てている。

物流部門は生産品目の物流センターに配送するかに気をかけている(店
舗物流は代行会社)。
返品情報、在庫情報が散在し、チャネル別に儲けがどれだけ出ているかわ
からない。
通り一辺倒のディーラー向け&エンドユーザー向けの販促施策が行われ、実
効性が計測されていない(毎年同じ施策を惰性的に継続しているだけでな
いだろうか)

顧客視点・顧客視点が忘れ去られ、事業プロ
セスが調和していないのではないだろうか?

商品開発 営業 生産 SCM 販売 サービス

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業績を立ち直らせるにはどうしたらよいのだろうか?
大きな視点
きな視点で
視点で、自社と
自社と市場を
市場を見ることから
始めませんか?
めませんか?

【1000m上空からの視点】 【成長シナリオの考え方の原
1000m上空から顧客・市場 点】
をみて経営全体の課題を作 顧客・市場と自社との姿、事
ること。企業の成長と共に部 業のあり方、協力企業や競合、
門別に専門が分かれてゆき、 そして顧客の変化をできるだ
それが、全体最適を後回しに け客観的に、広い視点から眺
して部門最適を優先すること めること。それが顕在市場か
にもつながっている。 ら潜在市場、さらには未知の
市場を発掘することにつなが
1000m上空 る。

自社・自業界 市場・顧客

営業 技術 管理
潜在
部門視点 顧客
全社視点 顕在
顧客
顕在 潜在
市場 市場
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企業のライフサイクルと第二の創業
<次の20年に向けての脱皮>

◆ どのような企業でも今日に至るまでの努力、発想、実行、そして成功体験がある。
しかし、どのステージと時代においても、時代の要請に応えたイノベーションが必要であ
る。今求められるのは、「第二の創業イノベーション」である。これは、全く未知の市場と
商品・技術を創出する事ではなく、既存の市場を対象にどう改めて事業を強くするかの
戦略である。このままではどんどん負ける企業になる会社で、いかにイノベーションを起
こすかにかかっている。
◆ 今見えている市場だけでは窮屈なことが多いのもまた事実である。現在の顧客の
ニーズをその原点に戻して、既存事業のイノベーションを起こすことが大切である。これ
までの20年がやってこれたことと、これからの20年がやっていけることとは何の因果も
無い事を肝に銘じるべきである。

安定チャネル
と顧客育成
第二の創
多品種化拡大 業
機能拡大・拡充
チャネル・顧客
接点拡大
製品化
研究
SCM効率化
事業撤退
ニッチ市場の
探索と体制破壊
M&A

創業期 発展期 成熟期 衰退期

今までの20年~ これからの20年~
30年 30年
2007 @ IDEA Inc. 7
経営視点の価値の再統合
「商品・売り方・SCMプロセス」が生む成長経営モデル

◆ 経営視点の価値の再統合=各部門(ビジネスユニット)の体制と機
能を強化する行動
このプランを作ること=経営スキームの構築、ここが全ての議論の出発
点になる。だが「企業がこれから20年をどう強くなるのか」という考え方
と方針なくして実施すると、部門単位の経営改善が中心となる。
◆ 成長シナリオのコンセプト
「1000m上空の経営視点から事業を鳥瞰し、売り方・商品・SCMプロセ
スという三つの活動コンセプトにより顧客価値を再編し、各部門(ビジネ
スユニット)の体制と機能を強化するために事業モデルを再構築する」

経営

SCM
売り方 商品
プロセス

社員一人ひとりの現場力の発揮

営業 開発設計 製造 物流 サービス

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成長シナリオ展開フォーマット
<概念(スキーム)を作る>
◆ 成長事業モデルを作り上げるためには、勝てる事業スキームをどう描いて
いくのか構想を策定する。
3つの視点:「顧客ニーズの原点に戻る」「顧客を拡大解釈する」「顧客への
コアバリューを追求する」
◆ 部門最適を避けつつ全社最適を図るには、マーケット・ドメイン別に構想展
開シナリオを策定し、シナリオの最大公約数を取ってゆく。最大公約数を取る=
全体最適となる。皺取り本舗では「美容室」「百貨店」「エステティック店」「直販
(通販)」などのマーケット・ドメインがあり、それぞれのドメインでの構想展開シナ
リオから着手する。
シナリオ展開フォーマット

ありたい
マーケット・ コアコンピタンス 構想展開 活動
実態シナリオ リクワイアメントの
ドメイン展開 の設定 〔解決シナリオ〕 コンセプト
方針

ありたい姿の
・・・・・ 事業プロセス
活動方向
活動方向
・・・・
の共有化
・・・ の共有化
解決キーワード
解決キーワード
顧客の ありたいコアコンピタンス
コアバ
活動コンセプト
リュー
の研究
課題展開
課題展開

商品
顧客研究
顧客研究
解決シナリオ
解決シナリオ
SCM
売り方
プロセス

問題展開
問題展開

現状の実態プロセス
現状の実態プロセス
コアコンピタンス
・コアコンピタンス
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成長シナリオ・コンセプト:
<顧客価値の原点に戻る>
◆ 製造業が将来の成長のためにすることは極めて明快である。それは、これか
らの20年を勝てるビジネスプロセスの構築である。このために、自社のポジショ
ニングを再構築して進むべき道を明確にし、組織全体を強く変革していくことが
必要である。
①今日・明日の市場のニーズと環境変化にあわせて他社に勝てるビジネスモデ
ル・プロセスの見直しを図る
〔バリュービジネスの再構築〕
②顧客価値と各業務プロセスを関係付けて価値を基準に機能の再設計を行う
③現業務プロセスの改善を人・モチベーションの観点〔アウトプット・質の向上〕か
ら行う

バリューアップ・ポジ
ショニング
価値

現在の仕組み

変革 ありたい
効率 グランドデザインづくり
企業理念

・知ってうれしい!
営業
価値の再設計

・会ってうれしい!
・買ってうれしい!
顧客価値 ・使ってうれしい! ・志が高い! 商品
開発設計 ・仕事が夢中!
・続けてうれしい!
・人に話して ・全員のシナジー!
うれしい! 製造 ・顧客の喜び!
・社会のため!

物流

バリュービジネスの
再構築 これからの
・お客さまの感動・喜び・満足を ビジネスプロセス
持続させて成長できる事業づくり

2007 @ IDEA Inc. 10


皺取り会社からアンチエイジング会社へ
<市場を拡張する>
◆ 顧客の定義を拡大するために、顧客の視点からマーケット・ドメイン
を見直すことから始める。
◆ 皺取り本舗は、美肌の中でもごく狭い領域でビジネスを展開してき
た。顧客から消費者、さらには人間という視点で、市場を観る目をリ
セットすることが出発点になる。

サプリメント リンクル
クリーム
ドリンク 医薬品
美容液 保湿剤
健康食品
脳トレ
アップシート
美肌
マスク 生活習慣病
肌老化

高脂血圧 高血圧
皺 紫外線
皮脂 アルツ
骨粗鬆症
ハイマー

若年 中年 老年

ヨガ
サプリメント
ピラティス
半身浴
運動 ウォーキング
エクサ
サイズ
フェイス 更年期障害
ヨガ
ウォーキング
女性
冷え性
姿勢 ホルモン
症状例
脂肪
卵巣機能
環境 医薬品
療法例
睡眠 代謝 O脚
睡眠不足 寝具
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皺取り会社からアンチエイジング会社へ
<マーケット・ドメインの展開>

◆ 従来の自社のコアコンピタンスは「肌の美しさを提供する」である
が、顧客の定義を拡大し、顧客視点を徹底すると自社の新しいコアコ
ンピタンスが生まれてくる。
顧客の定義を拡大

例えば
臨床検査レベル 老化予防のための
検査分野
のサービス提供 細胞検査
する

例えば
細胞クリニックの 肌疾患診断と
治療分野
運営 治療と薬処方
自社の
コア 自社の新しい
コンピタンス 例えば コア
美容診断 肌診断キット/ 老化状況把握の コンピタンス
分野 装置の開発
「肌の美しさ」 肌診断キット
を提供する 「???」

美容整形チェー 例えば
美容整形
ン しわ、しみの皮膚
分野
との事業提携 細胞移植

サプリメント・ 例えば
サプリメント
医薬 老化予防のための
分野
部外品開発 サプリメント

顧客価値の枠を外す 顧客の声を受け止める
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顧客の視点で事業全体を評価
・・・今日的な顧客価値を再設定する

◆ 顧客価値を高めるために、
『どの顧客・市場に』『何の価値を』『どのようなやり方で』 提供するかを考え直
すことが大切である。

◆ 限られたマーケットシェアで価格競争を挑む事は賢明ではない。また商品の目
先の差別化にとらわれた商品改良も労多くして効果が少ない。このため、以下の
点を考慮して事業を変革しましょう。
①見えている顧客から隠れている顧客に顧客の定義を拡大する
②声無き顧客の声に耳を傾ける
③顧客価値を既存の枠から拡大してみる
売り SCM

方 プロセ

商品価値

顧客価値
の向上 サービス価値 機能を 機能を
削除する 創発する

顧客の満足
機能を
売り方価値 簡素に
機能を
強化する
する

価格競争力
の強化 ライフサイクル
コスト

マーケ 開発 製造 物流 販売
ティング 設計

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実態シナリオのコンセプトフロー

◆ 実態シナリオづくりとは、顧客のアジェンダ(課題)を設定し、
それをコアコンピタンス(商品・サービス)として再設定する活動で
ある。

【顧客視点】
顧客 社会 顧客価値
需要ポジション
アジェンダ パースペクティブ プロフィール
の再構築

【提供者
視点】
コア 事業 商品機能
供給ポジション
コンピタンス パースペクティブ プロフィール

再構築

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実態シナリオのコンセプトフロー

◆ 実態シナリオづくりは「パース(フラットな視点を持つ)」「ポジ
ション(争点の軸をずらす)」「プロフィール(商品と顧客価値を一
致させる)」から成る。
社会サイクルの変化を 需要ポジションの変化 顧客価値プロフィールを設
鳥瞰する を見抜く 定する

美容
・高齢化社会
・若い高齢者出 治療 予防

・健康・運動志
向 理美容 AAサービス
・全包囲の健康 化粧 安全性 費用・料金
志向

①独自のアンチエイジング
②プライベート守秘環境
顧客の生活シーンを ③施術の技術力
描く ④密接なコミュニケーショ

事業環境の変化を鳥 供給ポジションの変化を 商品機能プロフィールを


瞰する 見抜く 設定する
エステティシャン 魅力機能
海外技

安全担 ??
二極化 美容整形
専門医 保 完全予
(規模、質、 約
ターゲット)

自己 基本機能
既知 未知 15
成長経営プロジェクト 標準ステップ

◆ 成長事業モデルを作り上げるためには、勝てる事業スキームをどう描いていくの
かの構想が必要である。
これまで述べたように、以下の3点にこだわる検討と構想づくりが重要である。

・顧客ニーズの原点に戻して
・顧客を拡大解釈して
・顧客へのコアバリュー

ステップ0:スタートアップステップ1:概念づくり ステップ2:課題構想ステップ3:実施計画策定

・経営視点でのベンチ・目的とやることの共有化・コンセプトの発展と課題
・ステージアップ
マーキング 構想
・マーケットドメイン/カテゴ プラン作り
・事業力の評価 リーの展開 ・事業プロセス変革の・マスタープランの
-競合との経営 ・マーケットドメイン 方策マトリックス 策定
分析 別に顧客実態と ・方策方針の設定 ・実施体制づくり
-商品力分析 ありたい要求の ・目標の設定
・顧客価値 展開
戦略プロフィール ・マーケットドメイン
別にコアバリューの
設定
・マーケットドメイン
別の
「売り方」
「商品」
「SCMプロセス」
コンセプト立案

3~4W 3~4W 3~4W 2~4W

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アンサー・リポートの著作権は、アンサー・コンサル
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